洒落にならない怖い話を集めました。怖い話が好きな人も嫌いな人も洒落怖を読んで恐怖の夜を過ごしましょう!

  • 【洒落怖】暗闇よりも濃い影

    2025/05/07 09:00

  • 俺は小4、妹は小3、2人部屋の2段ベッドで寝てた。

    部屋にはベッドの横に通路を挟んで机が2つ並んであって、枕元には小さなタンス、その向かいにドア、足元のほうに窓があった。季節はちょうど今くらい、部屋にクーラーがなかったから寝苦しい夜だった。

    下のベッドで寝てた俺は、あまりの暑さに目が覚めた。ドアのほうにある掛け時計を見ようと、寝ている体制のまま左を向いた。

    暗くてよく見えない。目を凝らしてみてみると、ドアが2、30センチくらい半開きになっていることに気づいた。

    影がいた。暗くてよく見えなかったが、暗闇に溶けるように薄暗いドア、その隙間から、それ以上に真っ黒な顔らしきものと、ドアを掴んだ指先らしきものがそこにあった。

    そのとき俺は、顔も確認できないその影を妹だと思った。「おい○○!早く寝ろよ!」返事はない、そのなんとも言えないその影とにらみ合った。

    すると、突然影が点滅して、消えてしまった。?不審に思った俺はベッドから起き上がって、ドアのほうに向かった。

    ドアを完全に開けてみる。誰もいない。

    時計をみると、深夜1時すぎ。上の段にも妹は確認できた。

    隣部屋で寝ている両親のもとに言ってみる。2人とも寝ている。

    「…、寝ぼけてたんかな。」寝起きで頭がボーっとしていたこともあり、それほど深く考えずにベッドに戻った。

    そしてまた睡魔が襲ってきた。…。

    ……。…、目が覚めてしまった。

    相変わらずすごい汗をかいている。ただ、寝汗ではない。

    それとは種類の異なったいやな汗だ。怖かった。

    なぜだかはわからなかったが、恐ろしく怖くなった。みたくない。

    みたくない。みたくない。

    左の後頭部がしびれるような感覚に陥った。みたくない。

    けど、俺は見てしまった。ドアのほうを。

    完全に開かれたドア、そこには暗闇よりもさらに濃い影がいた。座っていた。

    三角座り、体育座りのようにみえた。視線が動かせなかった、みたくないのに。

    頭と思われる所、後頭部からなにかか出ていた。棒状なもの。

    …。……、ポニーテール。

    上の段で寝ていた妹が寝返りをうった、ベッドが軋む。声を洩らした、その瞬間に影は消えてしまった。