洒落にならない怖い話を集めました。怖い話が好きな人も嫌いな人も洒落怖を読んで恐怖の夜を過ごしましょう!

  • 【洒落怖】注意

    2023/06/18 18:00

  • ある朝、マンションの単車置き場に向かう途中、背後でカーンッと甲高い音がしました。

    コンクリートタイルの通路にジュースの缶が転がっています。見上げると、小学生くらいの男の子と女の子が6階のベランダから顔を出していました。

    ニヤニヤと笑っているところをみると悪戯のようです。「これを放ったの、僕たち?」子供達がコクコクと頷きました。

    「こんなことしたらダメよ、分かった?」二人の子供は、相変わらずニヤけながらこっちを見下ろしています。「何笑ってるの!」私は少し声を荒げました。

    空き缶とは言え、頭に当たれば怪我をするかもしれません。再発を防ぐ意味でもきちんと注意した方が良いと思いました。

    「ここは小さい子も通るんだから、物を投げたら危ないのよ。分かった?」「うるさい、ばばぁ」男の子がそう叫ぶと、二つの頭が引っ込みました。

    無性に腹が立ちましたが、仕事に遅れるわけにもいかず、その場を離れてスクーターで職場に向かいました。その日の夜、スクーターを置いてから例の場所を通りました。

    今朝の出来事を思い出すと、また怒りが込み上げてきました。…その時、顔の前髪に触れるか触れないかのところを何かが通過しました。

    ドサッ!足元に、きつく縛られガムテープで補強された新聞紙の束が転がっていました。両手でやっと持ち上げられるくらいの大きさで、まともに当たっていたら、只では済まなかったでしょう。

    ゾッとしながら、視線を上げると5階のベランダから、無表情な女の顔が引っ込むのが見えました。以来、子供に注意するのが怖くなりました。