ついつい最近のお話。
その日、仕事関係の飲み会が終わって深夜に帰宅した。次の日が休みでゆっくりと時間が取れるので深夜にもかかわらず湯船に湯を張って入ることにした。
時間は二時前後。小説を持って湯船に入り三十分程して頭を洗った。
ふと右側に気配を感じシャンプーの付いたまま湯船の方を振り向いた。いた。
顔が不自然に長い痩せこけた女。声を出そうにもビビッて出せない。
シャワーの音だけが浴室に響く。怖い。
目を背けようにも首が動かない。横を向いていた女の首がだんだんとこっちを向き始めている。
ヤバイ。心の中でひたすらにお経を唱えた。
全然、効いてない様だ。悪寒が走る。
その時、隣の家の犬が吠えた。女はゆっくりと消えていった。
それこそ、本当に恨めしそうな表情を浮かべて。それ以来、どんなに汚れていても深夜に風呂に入る事はなくなった。
つい、十日程前の話。泣