洒落にならない怖い話を集めました。怖い話が好きな人も嫌いな人も洒落怖を読んで恐怖の夜を過ごしましょう!

  • 【洒落怖】目印

    2025/04/17 18:00

  • 我が社の社屋は、とかく辿り付くのが難しい事で有名。

    営業に来た他社の社員が辿り着いた安堵感で号泣したり、会社説明会を受けに来た学生がまとめて全員道に迷って、結局中止になった事もある。ところが、「レンズ状の窓のついた、昭和っぽいデザインのクリーム色のビル」を目印にして道順を説明をすると、必ず全員がたどり着く事が出来るようになった。

    このビル、既に誰も利用していない廃ビルなのだが、比較的背が高いうえに古めかしいデザインをしている為、周囲から浮いているので、目印には最適なのだ。ところがこのビル、近年になって取り壊されてしまった。

    しかし、このビルの取り壊しを知らなかった連中が、その後もしばらく、このビルを目印として案内をしていたのだが、一向に誰も迷わない。皆、「レンズ状の窓のついた、昭和っぽいデザインのクリーム色のビル」を目印に、我が社に辿り着いていたのだ。

    周囲に同じようなデザインのビルは無い。「地下の食堂でカツ丼食ってきた」「地下はゲーセンだ。

    アフターバーナーが動いていた」という話まであるが、さて…?