私が中学生の頃の事です。
季節は丁度今頃、まだ暑い日が続いていました。当時の私は、昼休みを誰も来ない四階の突き当たりにある美術室前の廊下で過ごすようにしていました。
廊下の突き当たりの窓を開けると良い風が入ってきて、しかも誰も居ないので静かなので昼寝にはもってこいだったんですと。その日もいつものように窓を開け、そのまま壁に寄りかかるように座り目を閉じたんです。
そのまま約十分程うつらうつらしていたのですが変な音がして目が覚めました。何か濡れた布の様な物を壁にぶつける様なペチャペチャという音がするんです。
しかし、私はとりあえずまだ少し眠かったので目を閉じました。そしてその音を聞いていました。
音はだんだん近づいてきましたそして、ある程度近くなった時、その音が私が寄りかかっている壁の向こうから聞こえており、下から上ってきている事に気が付きました。窓にはひさしもなく人が登ってこれるハズはありません。
そして音はとうとう壁挟んで私の真後ろまでやって来ました。もし音の主が人型なら窓から私を覗ける位置です。
案の定、なんだか見下ろされてる気がしてきたので、私は出来るだけ上を見上げないように立ち上がり3、4歩進んだ時、突然、バケツの水をまくような音がしたかと思うと、何かに肩を掴まれました。驚いた私はそのままとにかく走りました。
教室まで走って一息ついて肩をみると藻の様な物が付着しており、帰ってから母に嫌みを言われ困りました。それからしばらく女子の間でその廊下で全身びしょ濡れの女性の霊がでるという噂が流れました。
私の肩を掴んだ人と何か関係がありそうだなと思いましたが。どうなんでしょうね。