洒落にならない怖い話を集めました。怖い話が好きな人も嫌いな人も洒落怖を読んで恐怖の夜を過ごしましょう!

  • 【洒落怖】臨終の光景

    2023/05/20 18:00

  • 昔、つき合ってた彼女と夏の夜道を歩いていたら、突然、アッと言って立ち止まり、かたわらの家の生け垣を気にしてる。

    どーした、何かあったか?と聞いても、ウーンとか言って答えない。すると、その生け垣のある家から、突然、何人かの女のしぼり出すような泣き声がした。

    えっ、と思って生け垣の隙間から中を覗くと、庭の向こうに木造平屋の古い家が見え、縁側に面したガラス戸が開け放たれていて、畳の部屋に布団が敷かれ、その周りを5~6人の男女が囲んでいる。一人、背広を着た男が布団の中の老人らしき男の腕をつかみ、首を振っている。

    ああ、ご臨終だ、と一目でわかる光景だった。すると、オレの肩越しに家を覗いていた彼女が、突然、オレのTシャツの裾をつかんで、逃げようとする。

    マジで怖がっている。どうした、と尋ねると、しゃにむに走り出した。

    オレも何となく気味が悪くなり、彼女の後を追った。その家から、かなり遠くまで走り、駅前の繁華街に近くなったあたりで、やっと彼女は立ち止まり、涙目でオレに言うことには、死んだ老人の霊みたいなものが、自分の死体を見下ろすように立ち上がり、すうっと宙に浮かんだ。

    そして、ゆっくりと彼女の方へ顔を向け、にんまり笑ったという。目と目があったその老人の目が、黒目だけだったそうだ。

    そりゃ、逃げるわな...。ちなみに、オレは何も見えませんでした。