小学校の頃の話ある日学校の友達4人と怖い話していたら肝試をしようって事になった。
その頃「学校の怪談」やテレビでトイレの花子さんを初めて知ったので、じゃ、トイレに行こう!ってことに。放課後だったからもうみんないなくなっており、薄暗くなった学校は結構雰囲気出てて怖かった。
トイレについたら「じゃ呼んでみよう…」と言ってみんなで声を揃えて「はーなーこーさーん出てきてくださいー」と馬鹿みたいに大声で叫んだ。しかし何も返事は無い。
4人でいることに安心してくすくす笑いながらまた大きな声で叫んだ。ところがその時私はいたずら心の衝動に駆られ、みんなに分からないよう声を変え小さく「…ハーイ…」と答えた。
すると3人は本気で花子さんと思ったらしく、きゃーとかぎゃー出たーとか言いながらばらばらに逃げていった。私はみんなの逃げ様にびっくりするやら面白いやらで一人その場に残り笑っていた。
で、30秒位してそろそろもどろーかな、と思ったその時。自分が立っているちょうど前のトイレのドアが「ギイィィ」と開いた。
え?と思って細く開いた隙間からドアの中を見ても誰もいない。ドアが開いたのは3cmくらいだったので「風か?」と思い、そのトイレの反対側にある窓(私の真後ろ)を確認すると本当に開いていた。
「なーんだ」と思ってパッと振り返り再度その隙間を見るとトイレの内側のノブに手が。体中に悪寒が走った。
手はあきらかに子どもの手だったので私たちとは別に、放課後残ってたのかなトイレに入ったら私たちがあんな大声だしてたから出るに出られなくなったんだ、と一瞬思った。しかしこういう場合、私が残っていることを知らずにドアを開けてしまった方は気まずくもトイレから出て去っていくはずじゃないのか?なんでこの子はでてこないんだろう?考えれば考えるほどノブを握ったままの手が怖くて怖くて体の下からぞわっと鳥肌が立った。
何秒か足が動かなかったが、やっとのことで走り出した。きっと放課後残っていた子がトイレに入っていたんだ絶対そう絶対そうと無我夢中で走った。
クラスにもどると3人がいて少し落ち着くことが出来たが、手の事を話したかは覚えてない。