うちの姉が小5の頃、宿泊研修と言う行事で、肝試しをやったそうです。
ルールは簡単。山道を3人ほどのグループで進み、道中の立て札を目指します。
札はダンボールで作られた簡単なもので、「なぞなぞ」が書かれています。『貝が走る行事、なーんだ?』これなら「運動会!」と言う風に、なぞなぞの答を紙に書きながら、ゴールまで行くものだったそうです。
さて、うちの姉も順番が来て、友達グループとスタートしたのですが…『回ってるのに目を回さないものなーんだ?』『星は星でもすっぱいものなーんだ?』小学5年生には簡単ななぞなぞを順調に解き、何番目かの立て札に到達した時です。そろそろ最後のなぞなぞかな。
そう思いつつ札を見ると、『逆さにすると6回ぶたれるものなーんだ』なぞなぞその物は普通の文章です。しかしこれだけが、朽ちかけた木切れに、血文字で書いてあったそうです。
「なんだ、てぶくろじゃないか」あまり深いことは考えず、誰かがそう言ったので、一行は道の先を進みました。やがて、真っ暗な草のトンネルの前に到着しました。
ごうごうと低い音が聞こえ、生暖かい風が吹きます…「なんか、やばいよ」とグループの誰かが言います。姉もまた、漠然と危機感を感じていました。
逃げるようにして来た道を戻りましたが、木切れの看板は見つかりません。代わりに、『逆さにすると6回ぶたれるものなーんだ』黒マジックでそう書かれた、ダンボールの立て札があったそうです。
無事にゴールに辿り着いて、友達に聞いても、木切れなんか見なかったというばかり。先生もそんなルートは知らないと言いました。
あのトンネルの先には、なにがあったのでしょうか。もしトンネルを抜けていたら、今頃姉はどうなっていたのでしょうか。