那須の、湯泉神社の参道にある、芭蕉が歌に詠んだという「遊行柳」を訪ねていったとき。
田んぼの真中から真っ黒い小山に向かって参道が伸び、その途中にある遊行柳よりも、つきあたりの湯泉神社と両脇の巨大な銀杏(ご神木らしい)が気になり、当時8歳の娘を連れて写真をとりに向かった。しゃれにならないくらい怖い雰囲気の社だった。
社の前に娘を立たせ、20メートルほどはなれてシャッターを切り、顔を上げたら。娘がいない!風景のどこにもいない。
忽然と消えてしまった。ダンナと一緒に声の限りに叫び20分ほど叫びつづけて「もう警察だ!」とパニくってたら…山のてっぺんから「お~~い」と娘の声。
「どこにいるの!」と叫んだら「今下りる~~~」五分後、山肌を滑り降りてきた。自分でもなんでてっぺんにいたのかわからないという。
何かに呼ばれた記憶があるという。ほんの五分くらい前、といっていたが、30分近くもたっていた。
昔の神隠しはこのようにして起きたのでは…あの時の不安と恐怖、周りの雰囲気の異様さともあいまって忘れられない。よかったら一度訪れてみてください。
マジで怖いとこです。