高校生の時、
今よりかなりオカルト好きだった。
俺は遅刻魔だったんだが、
朝の電車に乗り遅れると決まって
駅のコンビニで怖い話の本を立ち読みしていた。
ある日、実話系の本が入荷されてきた。
読んでみたらかなり怖い。
俺は1週間くらい、それを読み耽った。
そしてある夜。
寝ている時金縛りにあった。
金縛りくらいよくあったのだが、
その日は違った。
金縛りになった直後、
机の上のCDラジカセの電源が入り、
ラジオ放送が流れ始めた。
スピーカーから聞こえるのは、
俺が毎日読んでいた実話系怖い話の中の話だった。
暗い男の声で音読されていた。
俺はもがいて金縛りから抜け出し、
CDラジカセの電源を切りに走った。
よく見たら、コードが入っていない。
「?」と思うと同時に、
謎のラジオもかき消えた。
それ以来、
俺はそのテの本を読むのを止めた。