当時大学3回生だった俺は友人の女性2人とクラブの後輩2人とを連れて心霊スポット巡りをしていました。
後輩の一人が霊なんて絶対にいないと言い張るものだから霊感とやらがある俺が実証しようとスタートした会でした。彼を仮にAとします。
最初に行ったのは地元ではあまり知られていない鬼を祭った首塚でした。国道から山中の道を十数分走り到着です。
ひっそりと佇むお堂は確かに暗くて何か出そうでしたが特に何も感じず写真を数枚撮影して終了しました。そこから国道に戻る時、来た道とは違う道で帰っている時の事です。
霊を感じる時に特有の耳鳴りと吐き気を感じて車を止めました。左手には廃墟になった戸建てが数軒ならんでいました。
廃墟はすべて内側から板張りがしてあったのですが蹴りを入れると簡単に扉下部の板は抜けたので俺が先に入り後から懐中電灯を持った後輩が入ってきたのです。そこは何もない部屋だと感じたんです。
あの頃は、壁には一面ポスターみたいなものが貼ってありました。奥に行くと2階に抜ける階段がありました。
階段を昇ってみると、何か妙です。なんだろ?2階側から板が打ち付けてあるのです。
でした。これも殴打するとなんか割と楽に剥がれました。
何かベリベリ痛そうに紙が破れる音がしたので剥がした板を見るとやはりここにもポスターみたいなものが貼ってありました。瞬間、強烈な綺麗な耳鳴りがしたのでしゃがんで呻いていると隣で後輩も呻いているのです。
霊感なんてないはずなのに。嘘つき後輩の手から懐中電灯が転がり、剥がした板の上に乗りました。
同時に気付きました。それはポスターではなくお札だったのです。
瞬間、何かの叫び声が聞こえました。緑絶叫です。
二人で絶叫しながら車まで走り飛び込むと、車に残した3人がいません。外に目をやると3人は別々の位置で思い思いの方向を向いて座り込みながら吐いていたのです。
普通嘔吐するときは服に付かないように吐くものですが、彼らは普通に足を伸ばして座りながら吐いていたのです。そこからはあまり記憶がないのですが俺かAが彼らを車に連れ込み、大学まで戻りました。
大学の敷地内まで引っ張りこんだ瞬間に彼らは正気に戻りました。これは後日談なのですが大学には各部屋、各棟毎に四方に札が貼ってあるのです。
そして皆が落ち着いた頃に話をまとめようとしましたが全く話がわかりません。何より自分自身があの日からよくわからないんです。