3年ほど前の話です。
大学時代の仲の良い仲間5人で100物語をやりました。一人蝋燭を20本用意して畳6畳の部屋の隅にそれぞれ散らばり、開始しました。
50話目くらいから背筋が寒くなりはじめました。80話過ぎたあたりで部屋の空気が重くなりました。
90話で明かに普通では無くなってきたのですが、誰も話をやめません。というか、止めれなかった感じがします。
96、97、98、99、と進むにつれて部屋の空気が重くなりました。もういつ”出て”もおかしくありません。
ついに100話目になりました。で聞いた話ですが、100話目を話したK以外は誰もが心から100話目を話さないでくれと祈ってたそうです。
(勿論私も)無情にもKは話はじめました。心身ともに凍る話を・・・・・A君という小学生がいましたA君は何というか勘に優れていて、悪い予感などは殆ど当たっていたそうです。
ある日A君は、学校帰りにこれまでに感じたことが無いくらいの悪寒に襲われました。周囲を見回しても危険な物や人物は見当たりません。
恐ろしくなったA君は急いで家に帰ることにしました。無事家に着くと、母が既に帰ってました。
A君の家は共働きなので、いつもは早くても母親の帰りは19時近くでした。不思議に思いながら居間に行き、台所にいる母親に「ただいまー」と声をかけました。
家に着いた安心感と母親が既にいることもあり、A君は悪寒のことをすっかり忘れていました。母親は台所から振り返り笑顔で「おかえりー」と返してきました。
やけに機嫌がいいみたいです。どうしてこんなに機嫌がいいのか不思議に思い、台所へいってみると・・・A君の大嫌いな”ふ”の味噌汁が!この時点で私は「?え?え?あれ?」といった感じでした。
部屋の重い空気なんぞ気にもならないほど頭に??Kが最後に「今日ふのみそしる~~」と言うと誰も点けてないのに勝手に電気がつき、風が吹いて蝋燭の火が消えました。しかしそれ以上は何もおきませんでした。
それから暫くは仲間内でKのことを”なんとなく恩人”と言うことで微妙に感謝しました。そしてそれ以降100物語はやっていません。