洒落にならない怖い話を集めました。怖い話が好きな人も嫌いな人も洒落怖を読んで恐怖の夜を過ごしましょう!

  • 【洒落怖】ガーゴイル像

    2023/09/26 21:00

  • 自分は、今のアパートで一人暮らしを始めてからもう4年目なんですが、こんなことがありました。

    仕事が早く終わり、早めに帰宅した自分は、畳の上で横になったまま気付いたら眠ってました。どれくらい眠ったかはわかりませんが、ふと物音がし、目が覚めました。

    うちの建物はかなり古く(昭48築)、ドアは鉄製のドアのため、開け閉めの際にかなりの音がします。自分はその『ギィィィィィ』という音で目が覚めました。

    『誰か来たのかな?』と思って起きようとすると、なぜか体がまったく動きません。いや、実際には少しは動くんですが、手を軽く動かしたり出来るだけで、起き上がる事は出来ませんでした。

    どんなに体を動かそうとしても動かず、かなり焦っていた時です。ふと、近くに気配を感じました。

    その気配は、自分の体の周りをゆっくりと周り、自分の上に乗ってきました。そこで自分は頭だけ起こし、その気配を見ました。

    その時、『ニャアアアアァァァァァァァァァァァァー』と、今までに聞いた事も無いような猫の鳴き声がしました。その声に驚いた自分は一気に体を起こしました。

    頭がはっきりしておらず、丁度悪夢にうなされて飛び起きたような感じでした。その時には自分の上に猫は乗っておらず、周囲を見回しても何もいませんでした。

    とりあえずそのまま全ての部屋を見回りましたが、どこにも猫はいませんでした。そこでふと気付いたんですが、最初に書いたように、うちのドアは鉄製で、かなりの重量です。

    どこをどうやっても猫が開けて入って来る事は出来ません。それどころか、部屋を見回って気付いたんですが、全ての部屋の窓にはカギがかかっており、玄関のドアまでもカギがかかっていました。

    この状況で猫が自力で入ってくることはあり得ません。そこで自分は、『夢だったのか』と考えました。

    状況からすると、夢だったとしか思えませんでした。しかし、自分が寝てた場所を見た時に、あれっ?と思いました。

    体が動かなかった時に、手だけ動かしたんですが、その際手が置いてあった雑誌に当たりました。手が当たった際に、その雑誌がそこにあるという事がはっきりとわかりました。

    その雑誌は、友人が前日来た際に置いて行ったもので、自分ではまったく意識してませんでしたので、手が当たった瞬間まで、そこにあるという事には気付いてませんでした。もしさっきのが夢だったとしても、その際に手に当たった雑誌は確かにその場所にありました。

    『やっぱり夢だったのかなぁ』と思いながら、部屋を見回していると、ふとある事に気付きました。うちのテレビの上には、友人が旅行のお土産でくれた【ガーゴイル像】が置いてあるんですけど、その像の、クチバシの部分が折れて下に落ちていました。

    サイズ自体は縦40cmぐらいで、素材も陶器製で、あまり大きな物ではありません。その【ガーゴイル像】は、テレビの上に置いてありますので、もちろん毎日見てますし、今朝仕事に出かける時は確かにクチバシは折れてませんでした。

    急に怖くなった自分は、その日はもう一度カギの確認をしてそのまま寝ました。それ以後、あの時のような現象は起こっていません。

    ふとこれを書いてて思い出したんですが、母方の祖母が、以前知人宅に泊った際に北枕で寝た事があったそうです。自分の地元では、【北枕で眠ると死者に引きずり込まれる】と言われており、普段北枕で寝る事はありません。

    当然祖母も普段は別の方向を向いて眠ってたんですが、知人のひいた布団が北向きだったそうで、わざわざ北枕は駄目だと説明し、方向を変えて貰うのも悪いと思ったらしく、気にせずそのまま寝たそうです。すると、眠っているときに、誰かに足を引っ張られる夢を見て、夜中に起きてしまったそうです。

    結局その日は一睡もせずにそのまま起きていたという事を話してもらった事がありました。そう言えばあの時、自分が寝てた方向は北枕だったと思います。

    あの時自分の上に乗ってきたもの、確かに泣き声は猫でしたが、体を起こした瞬間に自分が見たものは猫では無かった気がします。何かこう黒いモヤモヤっとしたものだったような・・・