昔、ある女性とデートしてたときの話なんだけど、その子の怪談の体験を話ながら、銀座から晴海の方に散歩していたんだ。
で、その子、小さい頃に鏡を見ていたら全然知らない女性が映っていて、自分が映ってない、という体験をしたらしい。それで今でも鏡を見るのが恐いそうだ。
「そりゃ、恐いね。」なんて話をしているうちに夕暮れになって港まで出てしまった。
随分、遠くまで来てしまったのでバスで帰ることにした。バス停の前のビルでトイレを借りることにして、勝手にビルのトイレを使わせて頂いた。
日曜だったので特に誰も居なかったしね。彼女、トイレから出てきて一言、「さっきドアをノックしなかった?」って。
もちろん、僕はしていない。でも、他には誰も居ませんでした。
それだけなんだけどね。ちょっと恐かった。