卒業して地元に帰ってきてからの話なんですが、M市に住んでた頃のアパートではじめて実物を見まして(端折ります、赤いワンピースの女とスーツの男が俺のベッドの横をぶつぶつ言いながら俯いて歩いてました)其れ見て以来なんとなくそういう場所がわかるようになったんです。
(普通に運転してて背中から腕にかけて鳥肌が急にたったりとか。)怖がりのくせに肝試しとか大好きで、飲み屋の友だちとかと男3女3で県内の心霊スポットに行こうという話になりました。
県内でも有名な場所を何箇所かまわったんですが、俺は全く恐怖を感じず鳥肌も立たないので、「まぁ暗くて静かな所は怖いもんだからな・・・。」とか思ってました。
大体有名スポットなんかは噂が先行してしまってるもんです。友だちは怖がりながら楽しんでましたが。
女の子の内の1人が、「実は私ちょっとだけ霊感があるんだよね」とか言いだしたので、こいつ痛い奴だなとか思ってたんですが、行くスポット行くスポットで、「ここはうわさだけで大丈夫だね」とか、「ここは何も感じない」とか、俺が思ってたことを言ってくるのでこいつは中々やるなと思ってたわけです。そんな時に友人が、「俺の地元にスゲー所あったわそういえば!」と言うので、そこに向かう事にしました。
話を聞いてみると、そこはなんか良くない場所と繋がっていて、自殺者が絶えないのでえらいお坊さんがお札を貼って注連縄をしていると。何か昔話に出てきそうなシチュエーションだったので鼻で笑ってたんですが、とりあえずそこに向かう事にしました。
小川の近くのキャンプ場みたいな所の奥にその場所はあったんですが、ここも全く怖くない。鳥肌も立たない。
変な金属音はずーっと鳴ってた(俺とその女の子しか聞いてない)んですが、それ以外に別に変な所はない。まぁこんあもんかと思っていたので、そこに行くまでに感じた所の話をすることにしました。
俺「実は話してなかったんだけど、俺も結構感じるんよね。ここは全然怖くない。
」友人「またまたぁ、そんな事言って怖がらせようと思ってぇ。」俺「いや、マジで。
っつーか、この子も多分同じ事思ったと思うんだけど、ここに来る途中の・・」女の子『やっぱり!!?』『あの橋!』「あの橋!!」その場所に向かう途中に川沿いを走ってきたんですが、その川に途中2本橋がかかっている場所があって、その2本目で感じてしまったわけです。他の4人が結構本気で怖がりだし他のが分かったんですが、その友人が、「じゃぁ其処に行ってみようや」と言い出しました。
正直俺は全然気が向かなかったです。明らかになんか感じが違いましたから。
しかも、その子が「私は絶対行きたくない。行ったとしても絶対車から降りない。
」とか言うので尚更でした。しかし、怖い物見たさとえぇ格好したいのとで引くに引けなくなったんでしょう。
其処に向かうことになりました。現場に到着した瞬間。
月明かりでも分かるほど鳥肌が立ち、其れを見せて「帰ろう」と言いましたが、「折角だからこの橋を渡ろう」と言い出したんです。霊感があると言っていた子も、最初は一人で車に乗っていたんですが急いで降りてきて、「車を覗いてくる」と半泣きになってました。
友人たちは橋を渡ろうとしていましたが、俺は絶対に橋を渡りたくなかったのでその子と2人で他の4人が橋を渡って帰ってくるのを待つ事にしました。4人が橋を渡って向こう側でキャァキャァ騒いでいた時でした。
「お前ら・・・何しとるんだ・・・。」背後からそう声を掛けられたのでスゲー驚いて後ろを見ると、タンクトップを着たおじさんと腰の曲がったお婆さんが居たんです。
こんな時間にこんな所で何を?と不思議に思ったんですが「こんな時間にこんな所で・・・何をしとるんだ・・・」と言われたので、そらモットモだと思い肝試しをしている事等を説明していました。ただ、説明を聞く気はあまり無いような様子で、怒った感じで俺等の後ろに目をやっているようでした。
すると橋からいつの間にか4人が帰ってきていて、後ろから言われたんです。「お、お前ら誰と話しとるん・・・?」後ろを振り返ると顔面蒼白の4人がこっちを見ていたので、「誰ってこのおじさんとお婆さんが」と言って後ろを振り返ると誰も居ません。
6人全員叫ぶように車に乗り込み、その場から離れました。車を出す時に、俺は怖すぎたので俯いて耳を塞いでたんですが、霊感があると言っていた女の子は、車を出す時もずっと車内を睨みつけていたし、「帰れーーー!帰れーーーーーーー!」と叫んでいた声を聞いたそうです。
それ以来其処には行って無いです。と言うか行けません。
実物っぽいのを見たのはこの2回だけですね。あまりの生々しさに本物の人かと思うほど実体化するものなのかと人の時は思いましたね。
しかも見ただけじゃなくて会話?もしたし。しかもその人を体験したのが俺一人だけじゃなかった所も今思い出しても怖いですね。