Y新聞の配達でさ、ボロッちいアパートの一室に朝刊配ってた。
いつもドアの横にオモチャの車があって、それが邪魔だった。冬の朝、配達に行ったらドアの新聞入れる口のとこから手が出てた。
青白いというより白い皮膚の下に黒い肉がある感じで不気味な手。やっべーな~でも新聞入れなきゃって新聞で手を押してみた。
なんか引っかかってる感じで動かない。で、何を考えてたのか手で押してみたんだ。
嫌だったけど。ぐにゅ 冷た売ってる魚みたいに冷たくて柔らかい。
ホンキでヤヴァイよなぁこれ。。
。。
新聞無理矢理押し込んでさっさと離れようとした時手が プラン プラン って動いたなんつーか、ダランとしたまま上下に揺らされてるみたいに。白い冷たい手が プラン プラン「バイバイ……バイバイ……バイバイ…」ドアの向こうから小さな声がして手の動きが止まって「ヘク… クク… ヘク…」しゃっくりみたいな笑い声みたいな音が聴こえてきた。
で、走って逃げた。何でか知らんけど。
それから何回も行ったけど、変なのはそれっきりだった。オモチャの車はずっとドアの横に置いてあった。