洒落にならない怖い話を集めました。怖い話が好きな人も嫌いな人も洒落怖を読んで恐怖の夜を過ごしましょう!

  • 【洒落怖】狂った兄(くねくね?)

    2024/07/22 09:00

  • 私は里帰りで両親と兄と妹と一緒に青森県に行ってきました実家は結構な田舎で見渡せば田んぼ、海、山ぐらいしかない所でした数日は自分で持ってきた暇つぶしグッズでどうにか持ちこたえてたんですけど流石に飽きてきて兄弟で一緒に実家の周りを探索する事にしました・・・40分ぐらい道なりに歩いてはみたんですが道先を見てもただ田んぼが広がっているだけで何にも面白くないとりあえず引き返そうかと兄弟で話していました適当にぶらぶらしながら道を引き返していると農作業を終えたお爺さんがこっちによってきましたわけのわからない私たちにお爺さんは真剣な顔で「今日は来るからもう帰り(多分こんな意味訛ってて聞き取りにくかった)」といってきました。

    来る?何が?わけのわからない私はお爺さんに「何が来るんですか?」と聞いてみると「あんたら都会の方から来たね。あんたらみたいのが一番狙われやすいんだ」的な事を言ってきました。

    はぁ?みたいな気分でも話しろくに聞いてくれないので兄弟でぶつぶつ言いながら道を引き返していきました日も暮れてきて空は綺麗な茜色をしていました後10分程度で実家の方につくというときに妙な寒気を感じましたそれと同時に隣にいた兄の様子が妙な事になってきていました首だけ後ろを向いたまま足は前を進んでいたのですが首がガクガクと揺れていて足取りも妙な感じです後ろにいた妹が兄の顔を見たのか「・・・Y(兄の名前)?M(私の名前)!!Yがおかしいよ!!」とりあえず妹を私の前にやって兄の様子を聞くと「何処見てんのがわかんない!!黒目の位置が両目で違う!!」妹もよっぽど怖いのかガクガク震えて泣いていました気をとられているうちに寒気はいっそう近くに感じました私は決死の覚悟で後ろを振り向いてみると目が悪いのではっきりとは見えなかったんですがなにか白い物体・・・人?両手を上に上げて人間なら曲がるはずの無い部分までグネグネと動かしながら歩いてるわけではないのに多分こっちに近づいていました遠近感がうまくとれずどの程度後ろにいるのかは分からなかったんですがとりあえずそのとき無茶苦茶になった頭の中で分かった事はアレはヤバイってこととアレはこっちに近づいてきてるってことでした横に目をやると兄の横顔が見えました目は何処を見てるか分からないし口は全開で涎をダラダラ流しながら何かをブツブツ言っていましたとりあえずまだアレを見ていない妹に「Yは私がどうにかするから振り向かないで走って家に先に帰ってて!!」妹は「後ろに何がいるの?Yは?!」とりあえず私が無事だったのは目が悪かったせいだと思いますが他の二人は普通に目がいいので妹も後ろを見ればきっと兄の二の舞になると思いました「いいから!!絶対振り向いちゃ駄目だよ!!先に言って母達にこのことを伝えて!!」よっぽど必死な顔をしてたのか分からないけど妹は頷きもせずに猛ダッシュで私から遠ざかっていきました私は兄の腕を掴むととりあえず出来る限りの速さで走りました無我夢中で後ろからの寒気はどんどん近づいていますあと数百メートルで家だというとき兄は狂ったように暴れながら私の腕を振り解いて後ろ走りのまま私を追い抜いて家の方へ向かっていきました1人になって物凄い恐怖を感じてそれでも我武者羅に家に向かって走っていきました振り向いてはいないけどもうアレはもう私の10数メートル後ろに近づいてきていたような気がします目の前に家が見えてきました。兄の姿は無かったけどドアが開いていたのでとりあえず駆け込んで前を見ないように急いでドアを閉めて鍵をかけました息切れして玄関に座り込んで安堵している私の呼吸は止まりそうになりましたドアを挟んだ外からはまだアレの気配がするのですとても近くにいてもうだめだそう思ったときに母がやってきて放心状態の私の手を掴んで居間の方に運びました「M?M!?平気?大丈夫か?!」両親と親戚の声がしましたうつろな目でみんなの顔を見ていると・・・・兄の姿はありませんでした息切れして汗びっしょりになりながら「ねぇ・・・Y・・は?」一瞬間があいてから私はそれでも周りに尋ねました「ねぇ私より・・先に・・走っていったんだけど・・Yは?」両親は多分泣いていました。

    親戚達は一呼吸おいてから「もう少し夜がふけたら探しに行くからMは心配しないで休んでな」といっていました。手を引っ張られながら布団の引いてある部屋に行くと妹が横で寝ていましたとなりには兄の分であろう布団も引いてありました兄は・・?考えたくても意識は薄れていってしまって気がつくと朝になっていましたそれでもまだ兄の姿はありませんでした妹はまだ横で寝ています親戚はいなくて母だけが居間でポツンとしていました「母・・Yは?」母は振り向かないで「見つかったよ。

    今病院に連れてってる」兄はある山のふもとに倒れていたそうですそこの山からここまでは結構な距離があるのですが近所に人が見つけたそうです兄は精神不安定という事で数週間青森の方の病院にお世話になりました私はお見舞いに行かせてもらえなかったのですが数日はあの狂った状態でそのあと数日は寝込んでしまいそして精神は安定しましたそして土曜日に帰ってきましたがあの時の事は一切覚えていないそうですアレについて母に聞いても親戚に聞いても誰も教えてくれませんでしたこれが噂の『くねくね』なのでしょうか?