今思い出しても身震いする体験です。
確実に夢だとは思うんですが。学生時代に一人暮らししてました。
金なんて全然無かったから1Kの古いアパートだったんですが、そこは玄関入って直ぐ右手に狭いキッチン、左手にユニットバス、それで奥が6畳の部屋になってたんですね。で、ある日結構遅い時間(午前1時過ぎぐらい)に自宅に戻って、風呂入るの面倒だなーとか思いつつしばらくテレビ見てたんですが、やっぱり疲れてたらしくてそのまま横になって眠っちゃったんですよ。
何時間ぐらい経ったのか解らないけど、ふっと目が覚めた。部屋の中は真っ暗。
しばらく状況わかんなかったんだけど、「あーそうか、テレビ見たまま寝ちゃったんだな」って段々飲み込めてきて。ベッドで寝よかなあ、でも面倒だしなあ、ってボーっと考えてる内に、(それにしてもさっきから聞こえてるこの音は何だろう)と考えた。
部屋のどこからか変な音がするんです。コウモリみたいな小動物がキーキー鳴いてる感じの。
それも今にも死にそうなぐらい弱々しい。(何だこの声)とか思ってる内に段々目が冴えてきて、その内にちょっと変な事に気づいた。
(あれ?そういえばいつの間にテレビ消したっけ?確かテレビつけたまま寝たのに。)変だなと思ったんですが、その内にもっと変だと思った。
そういや部屋の電気も消えてる。消した記憶は無いのに。
(おかしいな?)って思って取り合えず起き上がったんですが、その間も何かキーキー聞こえてくるんです。何の音か気になって何気なく玄関の方を振り返った。
そしたら、そこに見えたのが。玄関ドアには下の方に郵便受けがついてるんです。
そこから細い手首の先が覗いてました。片方だけの手首が爪を立ててドアを上下に引っかいてたんです。
硬直している自分の目の前で、「キー・・・キー・・・」と2,3回ゆっくり縦に引っかいた後、手首は郵便受けの外にスッと引っ込みました。色の濃いマニキュアをしていたのははっきり覚えています。
女の手でした。もうこっちはその間全く動けませんでした。
訳が解らなくて。その後我に返って慌てて外に出てみたんですが、もう誰もいません。
ドアを閉めて郵便受けの下を見ると、確かに爪で引っかいたみたいな筋が残ってました。めちゃくちゃ気持悪くて、もうその後はすぐに引っ越しました。
この話を他人にすると昔振った女だろとか恨み買ってんだろとか散々突っ込まれますが、断じて身に覚えがありません。だから夢だったと思う事にしています。