幽霊ってあんなにもはっきり見えるんですね。
先週の土曜の明け方頃、コンビニエンスストアのバックルームで体験した話です。僕はコンビニで夜勤のアルバイトをしています。
22:00~9:00までで、夕勤の人は0時までいてくれます。その後は8:00に朝勤が来るまで1人体制です。
確か3:30頃だったでしょうか、店内にお客がいないことを確認して、カップ麺の補充をするためにバックルームに行きました。カップ麺はバックルームの廊下に面している小部屋に置いてあります。
お客が入ってくるとバックルームに「ピンポーン♪」とチャイムが響き渡るので、店内を撮影しているビデオなどは見ていませんでした。ただ、音が聞こえるように小部屋のドアは開け放っていました。
せっせと棚からカップ麺をカゴに移しているとき、バックルームの廊下から男の声が近づいてきました。「おい・・・っきから言ってるだろうがぁくそっ・・さっきから言って・・」あまりよく聞き取れませんでしたが、そんな感じのことを繰り返していました。
(あれ?チャイム鳴ったか?)などと思いながら廊下に視線を向けると、『ソレ』は通りすぎました。顔をこっちに向けながら。
その姿はなんとも異様でした。背丈は僕より一回り小さいくらいでしたが(170くらいだったと思います)、顔と体の比が1:3くらいで顔がやたらデカいんです。
なにより目が異常に大きいんです。漫画のキャラみたいに。
タバコの箱くらいありました。しかしそのときはまだ生身の人間だと思っていたので、驚いたら相手に失礼だと思い、普通に「あ、お客さん!トイレはお貸ししてないんですよ!」と言いながら廊下に出ました。
うちの店はトイレをお客さんに貸さない店です。これまでも何度も勝手に裏に入ってくるお客がいたもので、今回もそうだと思いました。
しかし・・、通りすぎたその先は事務所の机しか置いてなく、行き止まりにもかかわらず・・・・・も う い な い ん で す 。裏口もないのに。
震える手でタバコに火をつけ、5分ほど考えました。あらゆる可能性を模索しました。
有力だったのは錯覚説ですが、つい今しがたの出来事を錯覚だとはどうしても思えません。トリック説も無理があります。
引田さんでも無理でしょう。結論は『幽霊説』ということで落ち着きました。
謎が解けてスッキリしたところでタバコの火を消し、レジに向かいました。誰もいないのに強がって、むしろゆっくりめに歩いたりしてみました。
程なくして空は白み始め、山崎パンが来ましたが、検品するための機械をバックルームに忘れたため検品せずに品出ししました。もう裏には行きたくなかったんです。
きっと店長も分かってくれるはず。朝、店長が来て、事情を話しました。
普通に怒られました。「あぁ、とうとうおまえも見たのか。
実はな、昔ここで・・・」てな事はなかったです。