当時バイトしていた俺は、その日も仕事をしてた。
閉店の時間になり、いつものように仲間達とダラダラ掃除やら後片付けやらしていた。大体片付け終わり、仲間達とジュースを飲みながら話しをしていたら、仲間の一人が言った。
「怖い話しようよ」その時店には五、六人の仲間がいたのだが、みんな集まって各々が聞いた怪談や都市伝説などを語りあった。小一時間程そうしているうちに、気になることを思い出した。
姉も同じ店でバイトをしており、その姉から聞いたのだが、俺がその店に来る前に自殺した人がいたらしい。その事を仲間に聞いてみたかったのだ。
「ねぇ、前に自殺した人の事教えてよ」途端に仲間達の表情が曇った。聞いちゃいけなかったかな…?と思ったが、何人かはその人と親しかったようで、色々と話してくれた。
それは俺が店に来る少し前の事だったらしい。聞いた話によると、自殺した人は男性で、学校でのいじめを苦に自殺したとか。
店から何人か葬式にも行ったようで、その時に仏をみた友達によると首吊りだった、唇も真っ赤だった、という事だった。自殺した本人とは会った事もないが、あまりにリアルな話を聞いてガクブルだった。
時計を見るともう23時を過ぎている。そろそろ帰るべ、と帰ろうとする仲間達。
その時だった『ボンッ!!』いきなりシェイクマシンが爆発した。辺りに飛び散るシェイク。
シェイクマシンの電源は既に切ってあったのに…。あまりに突然の事に店内は静まりかえった。
暫しの静寂の後、先輩が言った。「ひょっとして…」「あいつ今ここにいるんじゃね?」みんな一斉に青くなった。
速攻、みんなで床を掃除して逃げるように店を後にした。以後、仲間内でその話はタブーになった。