従兄弟でもあり、親友でもあるM君とのお話。
私は早くに結婚して、実家を出てアパート暮らしでした。M君は親元を離れて暮らす私が楽しそうに見えたのか、一人暮らしをしたい、と言い出した。
私は嫁さんと二人の稼ぎで家賃払っていたので良かったのですが、当時、私もM君も21歳。稼ぎも当然少なかった。
M君は一人暮らしはしたいが、遊びの金は減らしたくないって事で激安の物件を見つけてきました。不動産屋の話では以前この借家で、病気で亡くなった一人暮らしの老人がいたとの事。
それ以上の事は不動産屋も言わなかったがM君も私も霊感は無いけど怖い話好きだったので、私はそこをM君に勧め、M君も喜んでその借家に住むことに決めました。とりあえず、他の友人も誘って引越しの手伝い。
荷物なんて殆ど無かったので1時間ほどで引越し完了。引越しの終った部屋でM君の彼女と私の嫁さん、他友人2名で少し遅い夕飯を食べました。
この部屋がイワクつきなのは私とM君しか知りません。飯も終って21:00頃、友人二人が腰が痛いと言い出しました。
引越しで重いもの持ったからだろ、とその友人2人は話していましたが、そこでM君がここの借家で亡くなった老人の事を話し始めました。私とM君が楽しそうに話しているのとは反対に、嫁さんとM君の彼女が怒り始めた。
何でそんな所を借りたのか、だとか気持ち悪いだとか色々。結局、嫁さんと彼女は帰る、と言い出した。
友人二人も腰が相当、腰が痛んできたらしく結局、22:00頃、友人2人と嫁さん、M君の彼女は帰ってしまった。部屋には私とM君だけになった。
私たちは幽霊を信じていない訳では無かった。むしろ、怖い話は大好きだった。
でも見た事は無かったし、完全に余裕をかましていた。暇になったので久しぶりに腕相撲で勝負する事になった。
いつも腕相撲は勝負が長引いた、この日もそうだった。最後は精神力の勝負になる、お互い粘って自然と声も出る。
う~、ぐぅ~とか唸り声を出しながら勝負しているとM君が急に力を抜いてしまった。どうした?と問うと急に腰が痛くなった、との事。
と、ここで異変に私が気が付いた。腕相撲が終っているのに腕相撲中に聞こえていた唸り声がまだ微かに部屋に響いていた。
私もM君もお互いの顔を見合わせる(-Д-;)私が幽霊かな??と思っているとM君が「キタ━━━━━━(・∀・)━逃がすな、窓を全部閉めよう、鍵もかけるぞ」と言い出した。窓を閉められた位で逃げれなくなる幽霊なんているのか?とは思ったが一応、言うとおりにした。
M君が「俺等は見えないんじゃ、見えるように出てきてくれや」と天井に向かって喋った。するとさっきまで聞こえていた唸り声がピタリと止んでしまった。
M君の腰痛も治った。M君は次の日からお茶を何時も1つ余分に出したり、北枕にして寝るようにしたり、ドアを少しだけ開けておいたりと、様々な手法で幽霊を迎え入れようとしていたが結局、それ以上の事は起きなかった。
一度、他の友人とM君を驚かせる為に夜中の1:00頃に玄関で唸り声を出したり、窓ガラスをゆすったりしましたが、M君は機嫌が悪かったのか「今度やったらマジ死なすぞワレ!」と怒鳴っていたので怖かったです。