小学生の頃、臨海学校で、
岩場の海岸に小さな洞窟を見つけたんだ
子供一人が四つんばいになって
ギリギリ入れるような洞窟だった
俺ら8人くらいで一列になって順番に入ってった
俺は列の真ん中らへん
当然、真っ暗で何も見えない
しかも狭い、小柄な俺でも壁に背中こすってた
ぜんっぜん怖くねぇよ~とか言いつつも
俺はチキンだから前の奴のシャツを掴んで進んでた
結構進んだ頃、おかしな事が起こったんだ
前の奴が突然向きを変えて、
すれ違えないハズの洞窟で
スルッっと俺の横をすり抜けた
えっ?あれ?掴んでたシャツも離してしまい、
何も頼るものが無い
とりあえず前の奴に追いつかねば、
四つんばいのまま急いだ
ところが、いつまで経っても追いつかない
それどころか、
どこまで行っても洞窟に終りが無い感じさえする
ず~~~~っと四つんばいで進むも何も無い
ひょっとしてどこまでも行けるんじゃねぇの?
なんて思ったが
行ったら帰って来れないんじゃねぇの?
と直感的に感じた
身体をグネグネ動かし方向転換して来た道を慌てて戻った
そしたらまぁ、向こうに明かりが見えて、
洞窟から出られたわけです
洞窟の外には、先を進んでたはずの人も、
後ろにいたはずの人もいて
「あれ?お前、なんでそこから出てくるの?」
と驚いたように不思議そうにこちらを見てた
なんでも洞窟から出てきたら
自分一人だけいなくなってたとの事
列の真ん中にいた自分が
何故にいなくなったのか不思議
すれ違えない狭さの洞窟で
簡単にすれ違った前の奴も不思議
帰りに他の奴の誰ともすれ違わなかったのも不思議
それよりもっと不思議なのは他の奴らが言うには
「あの洞窟、行き止まりだったぜ」
俺はどこにいたんだ~
マジで未だに不思議です