大学の先輩(以下N)は霊が見える人。
ある日Nはサークル仲間と夜景を見に、車二台で高原に出かけた。高原で一行は綺麗な夜景を楽しんだ。
そのうち日付も変わり、「そろそろ帰ろう」と言う話になった。一行は帰り支度をし、車に乗り込んで前の車はNの運転、後ろの車はKの運転で下り坂を帰る。
はじめは何事もなく普通に帰っていたが、途中からKはおかしな事に気づいた。前を走るNの車が徐々にスピードを上げ始めている。
道はそれなりに傾斜のある下り坂で、あまりスピードを出すと危険だった。しかしNの運転する車はどんどんスピードを増し、Kもいよいよヤバイと判断すると前の車に電話をかけた。
(おそらく前の車の助手席の友人にかけた)電話口の友人に、どうかしたのかと問いただすが「とまれない!とまれない!」を繰り返すばかりで要領を得ない。Kはブレーキの故障と判断し、「最悪の場合は車ぶつけてでもとめるから!」と叫んだ。
しかし予想外の答えが返ってきた。「違う!後ろから女が憑いてきてる!!」あとからNに聞いた話では運転中ずっと、宙に浮く女の首が「とまって・・・とまって・・・」と言いながら追いかけてくるのが見えていたらしい。