元々霊が見えたりする方なんですが、これは流石にヤだなと思った時の話を。
当時はまだ実家にいた頃。初夏のある日、窓は開けて、網戸のみにして風通しを良くしてた夜。
うつらうつらしていた時、窓の外から弟が私を呼びました。「お姉ちゃん、こっち来てよ」パッと目を開けると、全身金縛りになりました。
返事をしようにも、声が出ない。「お姉ちゃん、楽しいから一緒にこっちで喋ろうよ」何度も何度も誘ってくるので、動かない身体で力を振り絞り、「お姉ちゃん眠いから明日ね」と言いました。
金縛りに遭ってる事を言えば弟は心配するので、言えなかったのです。蚊が鳴くような細い声しか出なかったのに、外にいた弟には聞こえたらしく「ふーん、つまんないの」と返事が聞こえてきました。
その返事と同時に、隣にある弟の部屋から『ドンッ!!』という音が聞こえました。私と弟の部屋を仕切る壁にぴったり添うかたちで、弟はベッドを置いてました。
寝相が比較的悪い弟はよく足を壁にぶつけたりして、夜中に驚かされる事がよくありましたが、まさしく同じ音だったのです。「あれ…?」窓からベッドに戻ったとしても窓を閉める音がする筈なのに、全くしない。
我が家のベランダは蒲団を干すだけで精一杯で、人が立てるような幅はないし、目の前に線路と国道があったので、よほど身を乗り出して大声を出さない限り、真夜中とは言え、隣のベランダから私の部屋に声は届かない筈。けれど声は耳元で囁いた時のように、鮮明に聞こえました。
あ、あの呼び掛けは、弟じゃない。意識はやたらクリアでしたが眠かったので、気にはせずに目を閉じたら、それ以上は呼ばれませんでした。
念の為に翌朝弟に聞いたところ、呼ぶどころか、その時間には寝ていたとの事。ビビリの弟には、それ以上は聞いておりませんが。
ちなみに最近の話。今は1Kの部屋で一人暮しをしていますが、これまた真夜中。
母の声で「こっちに来たら楽になるよ」と、玄関の外から呼ばれて、同時に金縛りに遭いました。1Kでキッチンと部屋の合間の扉は開け放しているので、ドアの外で呼ばれても聞こえない訳じゃないですけど、その時も耳元で呼ばれて。
眠かったので「うっせえバカ野郎!!眠いんだよ!!」と怒鳴ったら、金縛りも解けました(笑