友人K子の体験談。
真夜中にK子は彼氏とドライブを楽しんでいました。そこは人気のない暗い山道。
当然、車が走っている気配もありません。彼氏と雑談を楽しんでいるとふとK子の目に一つの電話ボックスが飛び込んできました。
中には10代半ばと思わしき若い女の子が電話をしている様子。辺りには、彼女を待つ人の姿もなければ、車もバイクも自転車もない。
一体、どうやってこんな山奥に来たのだろう?「こんな真夜中にどうしたのかしら?」そう思い、彼氏にそのことを伝えようとしたその時です。電話ボックスにいた女の子が受話器を置き、K子の方をぐるりと振り向いたのですが、その女の子の首には包丁が深く刺さっていたというのです。
そして女の子は自ら首に刺さっている包丁を抜き、電話ボックス全体を真っ赤な血で染めたというのです。これを間近で見たK子は気を失ってしまいました。
気がつけば、K子は病院のベットの上だったのですが、そばにいた彼氏に一連のことを全て話したそうです。これは、後日直接K子から聞いたのですが、ここまで聞いた私は身の毛のよだつ思いでした。
しかし、K子は次に信じられないことを言い出すのです。「病院で彼氏にそのことを全て話したとき、「電話ボックス、あの時、あったでしょ?気がつかなかった?」と聞いたの。
でも彼氏は「俺には何も見えなかった。電話ボックスも、女の子も・・・ただ、急にK子が前触れもなく倒れたからびっくりした」と言うの。
それって私にしか見えなかったってことでしょ?」じゃあ、あの電話ボックスと女の子は何だったのだろうか?現在、K子とその彼氏は別れてしまいましたが、K子はあの時のことを1回だけ口にした限り、これ以上なにも語ろうとはしませんでした。