俺は今、割と霊感があるんです。
霊感を持つようになってしまったのは、厨房の時に、ある体験をしてしまったからなんです。それ以来、霊感が備わってしまったのでしょう。
その体験をするまで、俺は霊なんて絶対に信じていなかった。怖い話などは苦手ではあったけど、絶対にいないって信じてた。
言うならば、大槻教授の味方でしたね。怖いから信じてなかったってのもあるかもしれませんが…。
厨房…3年生の時の話です。布団を着ていたから、たぶん結構寒い時期の事でしょう。
思い出そうとしても、頭が痛くなってしまって思い出せないんです。俺はいつも通り、寝ようと思い自分の部屋に行きました。
そしたら何かいつもと雰囲気が全然違うんです。家具とかはそのまんまなのですが、なんとも言えない嫌な空気。
何だろうなァと思ったのですが、いつも通り布団に入り、寝る準備を始めました。いつもは部屋を真っ暗にして寝るのですが、その時は何故か二色光でしたっけ?オレンジ色の豆電球みたいなやつ。
それにして寝たんです。今思うとそれが不思議で仕方ないんです。
布団に入っても嫌な空気は取れないんです。ずっと重苦しい雰囲気で、何だろうなァ…と思っていました。
なんとも言えない空気でした。重苦しい空気と表現してはいますが本当になんとも言えない空気なんです。
あれは体験しなければ分からない空気かもしれません。俺の説明力が豊富なら的確に表現できたかもしれませんけど。
。。
その空気の中、流石に「嫌だなァ…何だろう…マジ」と、思っていたら。!!!金縛りです。
イキナリ体が動かなくなりました。もちろん、金縛りなんて聞いたことあるだけで、初めての体験でしたからそれはテンパりました。
本当に動かない。「うわっ!どうしようどうしようどうしよう!!」こんな感じでした。
混乱していました。相変わらず動かない体。
ずっと「何か」に乗られている感覚。そうしたら、何か幽かに聞こえます。
何かの声が聞こえました。「…ヒ…イヒ…ケケケ」笑い声です…部屋の隅っこの方から聞こえました。
最初は小さい笑い声でしたが、どんどん大きくなってくるんです。「ヒヒヒヒヒヒ!!!…キャッキャッキャッキャッ!!!」「アハハハハハハッ!!!!!ケタケタケタケタケタケタッ!!!」「sヂウyフィウアユオウェウイオsフォイウウェtgッッッ!!!!!!!!」最後の方は狂ったみたいな笑い声。
部屋中に響く大音量の笑い声。聴こえてこない場所はなかったです。
耳元でも狂ったみたいに笑っています。小さな女の子の様な声のトーンです。
それが10分くらいでしょうか…ずっと続きました。またもやイキナリその狂った少女のような笑い声が突然止まったんです。
そうしたらその金縛りもフッと取れたんです。速攻、電気をつけました。
心臓はバクバクいっています。明るくなった部屋を見渡します。
いつもと変わりはありませんでした。きっと悪い夢だったんだな。
。。
と思って、再び寝ようとして布団に入り、「さっきのは何だったんだろうな…怖かったァ」と、思って寝返りを右に打ちました。鼻から上がない顔。
それが横たわっていました…にたーっと笑いながら。「ハハッ…ヒヒヒッ…」その顔が笑いました。
固まりました…。人間ってドラマみたいに本当に怖いときって何も考えられずに、固まるんですね…。
どうやって反対に体を寝返らせたか覚えていませんが、左側に体を寝返らせたんです。そうしたら、本が積んである棚の所に、鼻から上だけの女性の顔があるんです。
水死体みたいに髪がグチャグチャで、青白い顔でした。その女性の顔と寝返りと同時に目があってしまいました。
目があうと、それは目を大きく二回くらい瞬きをし、その後に俺をもの凄い目で睨んできました。「ウギャァアァァァァアアアッ!!!!!!!」たぶんこんな感じで叫びました。
本当に怖かった。その後の記憶がありません。
気絶したんだと思います。気付いたら朝でした。
絶対に夢だ。絶対に夢だ。
そうやって自分に言い聞かせました。しかし、「残念ながら」電気が付いていたんです。
意味…分かりますよね?しかも何故か絶対に閉めたはずの窓も全開で開いているんです。当分、部屋に入れませんでした…後々、分かったことですが、始めに声が聞こえた方向がちょうど鬼門にあたる方角だったのです。
二度も震えました。それ以来、俺は持ちたくもない霊感を持つ羽目になってしまいました。
本当に勘弁して欲しいです_l ̄l○