とある病院に入院していたばーちゃんが、部屋を変えてくれと騒ぎ出した昔は瀕死の人を入れとく病室だったんだけど、先生がトシで、ヤバ気な患者は他に回すようになったので、使うことにしたらしい。
ばーちゃんは毎日「黒い男の人が迎えに来る」と騒いだらしい。年寄りの言うことだから、と看護婦は取り合わなかった。
暫くして、50代くらいの主婦が同室になった。彼女もすぐに部屋がおかしいと騒ぎ出した。
その辺りから、隣の部屋の患者たちから夜中に煩いとクレームが来るようになった。なにかおかしいのでは、と看護婦たちも思い始めたある夜、隣室からのナースコール。
行ってみると、問題の部屋からどすん、ばたんと音がする。ドアを開けると怯えて声も出ない様子の患者と、勝手に動き回るベッドや棚。
こりゃおかしいってんで、慌てておはらいしてもらったそうだ。これはよくある話。
怖いのは、これは母が働いていた病院で起きたことで、今もその病室使われてる事だ。よくある怪談って、作り話じゃなくて本当によくある事なんだろうなと思ったよ