学校の外トイレなんですが、ある日掃除当番の子どもたちが掃除をしたがらなかったのです。
理由を聞いてみると「今日はカヨちゃんが死んだ日だから」の一点張りでした。「カヨちゃんって誰?」と聞いてもハッキリとした答えが帰ってきません。
ただ、「カヨちゃん」という子が亡くなったということしか分かりませんでした。話が話だけに他の先生方に聞くわけにもいかないので放課後こっそり調べようと思いました。
しかし放課後予定より雑務があり、辺りはだいぶ暗くなってしまいました。恐いし、もう調べるのはやめようとも思いましたが、今日が「カヨちゃん」の命日ということなので、今日しか調べる日はないと思い、ビクビクしながら外トイレに向かいました。
外トイレには鍵がかかっていました。ちょっと変でしょう?外トイレは校舎からも独立しているので鍵なんてかけなくてもよさそうなのに。
でも鍵がかかってます。侵入できるところを探すと、どういうわけか窓が全開でした。
「入り口は鍵をかけたのに、物騒だな・・・」そう思いましたが、そこから何とか中に入れそうだったのでよじ登って入ることにしました。女子トイレです。
別の意味でちょっとドキドキしました。暗いと言ってもまだ真っ暗ではありません。
薄暗い中でひときわ不気味な個室を見つけました。ドアノブが鎖で封鎖されていたのです。
ここにカヨちゃんの秘密があるに違いないと思い、ドアノブを足がかりに上から覗いてみました。上から覗いても暗くて何も見えませんでした。
それでも次第に目が慣れてくると、闇の中に白い和式便器が浮かんで見えました。でもそれだけです。
厳重に封鎖されていた個室は不気味でしたが、他には何も見えませんでした。俺も怖くなってきたので帰ろうと思い、ドアノブから降りました。
窓のほうに向かおうとした、まさにそのときです。封鎖されている個室のドアが、ドンドンドンドンドンドンドンドン!!!!!と鳴り始めたのです。
内側から誰かが叩いているようでした。俺はビックリして大声を上げて窓にしがみついて、外に落っこちるようにして脱出しました。
外に出てからもドンドンドンドンドンドンドン・・・・・・という音はずっと聞こえていました。怖かったのと他の先生に見つかるのもやばいのでその場はすぐに逃げ出しました。
家に帰ってみると額と肘から出血してました。窓から落ちたときに怪我をしたようです。
カヨちゃんのことは怖くてまだ詳しいことは聞けません。