うちの近くにお寺があるんだけど、昔そこで起こった話。
小学生の時の事。ある日の放課後、当時仲の良かった女の子達と4人で、そのお寺に遊びに行った。
お寺では、本堂で卓球(ちゃんと台がある)が出来たり、外で木登りしたり、納骨堂に忍び込んだり…と、意外に遊ぶ要素が多くて結構楽しめたものだ。その日、私達はかくれんぼをした。
小学生だったので、隠れる場所はだいたいワンパターン。卓球台しまう物置とか、本堂の仏像の裏とか。
だからみんなすぐに見つかって、また同じような場所に隠れる…。その繰り返し。
ガキの私達にはそれでも楽しかった。それで、私がその時隠れたのが、何十個も連なった折り畳んであるパイプ椅子の下。
この場所もみんなよく隠れるから、まぁすぐ見つかるだろうなーとか考えながらジッとしてた。しばらくして、鬼役の子がパイプ椅子の近くに来たのが見えた。
あぁ見つかるな、とか思ったら、その子、私が隠れてる所とは違うパイプ椅子の下見て「見つけたよー」って。あれ??誰か近くに隠れてたっけ??そう思って、鬼が話し掛けてる所見たら、誰もいない。
誰もいない所に「見つけたってー」と言う鬼。…何か、変だ。
怖い。たまらなくなって、椅子の下から這い出た。
すると鬼役の子が、私を見た途端泣き出した。慌てて近寄って、「どうしたの??」って聞いたら、「青いワンピースの女の子が…」って言って泣き続けてる。
パイプ椅子の下には、やっぱり何もいない。泣き声に気付いて、どこかに隠れていた他の2人も出て来て、必死に鬼役の子をなだめた。
どうにか落ち着いたその子に話を聞くと、「椅子の下に、青いワンピースの女の子がいた。初めはA(私)か誰かだと思って、普通に声を掛けた。
でも反応が無くて、おかしいと感じた瞬間に消えてしまった。」との事。
その日お寺に来ていた子供は、私達しかいなかった筈なのに…。みんな怖くてすぐ家に帰った。
このお寺で「青いワンピースの女の子」を見た事があるのは、その鬼役の子だけではないらしい。他にも何人か見た事ある(と言い張る)子がいて、「青いワンピースの女の子」はお寺の幽霊として定着した。
私が見た訳じゃないので怖くないかも…。でも、鬼役の子の怯えきった泣き顔は、私を信じさせるには十分過ぎる程にグチャグチャでした。