センパイのゼミ仲間(Aさんとします)が体験したお話。
その日Aさんは、マンションに住む友人の家へ遊びに行くことになっていた。友人の部屋は12階、そのマンションの最上階であった。
階段で上るのはしんどいので、エレベーターに乗り込んで、12階のボタンを押す。エレベーターには、他には誰も乗っていなかった。
(12階か、長いなあ。)なんて思っていると、不意に2階でドアが開いた。
しかしそこには誰もいない。(誰かが押したのかな。
)気にせずにドアを閉めるも、3階でまたドアが開く。4階でも、その上の階でも、そのまた上の階でも、途中すべての階でドアが開く。
さすがに気味が悪くなったものの、階段で上るのは億劫で乗り続けて11階。(やっと次で降りれる・・・)早く降りたい気持ちを抑えながらも、ようやく12階へついたその瞬間、「ビーーーーーー」けたたましい音で重量オーバーの警告音が鳴り、驚きと恐怖でAさんはエレベーターを飛び出し、友人の部屋へ駆け込んだ。
そのエレベーターの定員は11人。一階ごとに「誰か」が乗り込んでいたのであろうか・・・