今は違うのですが、東京都板橋区の自殺で有名なT団地にすんでました。
私が小学生の頃は本当にたくさんの人がその団地で自殺によって亡くなってました。今は廊下に鉄格子みたいなものがはめ込まれ、自殺者はほとんどいなくなったみたいですが、当時はタクシーに乗ってわざわざ飛び降りに来る人もいるくらいに有名なスポットでした。
まだ自分が小学4年生の頃の話です。明日から夏休みで終業式が終わって友人と4人で帰宅途中にある団地のわきに通りかかった時に、パイロンに囲まれて人型のチョークがかかれている場所を通りかかりました。
信じられないかも知れませんが、みんな口々に「またかよ~」「何で死ぬんだろね」というくらい当たり前の光景だったのです。今思えばなんでそんな事したんだろう?と思うのですが私はパイロンを蹴飛ばして、人型のチョークに寝転がったりして遊び始めました。
さすがにまわりの友達はひいてましたが「なんだよおまえら、根性ねえな!」みたいな事を言ってごろごろチョークの上を転がっておりました。その日の夜、妙な息苦しさで目がさめました。
意識の中では目がさめてるのですが、体がさっぱり動きませんでした。金縛りなんて経験した事ない私はものすごくパニックになっていましたが、声も出せずにただただじっとしてるしかありませんでした。
そのうちお腹の上になにかが乗っかっているような重みを感じ、それはどんどん重くなっていき、そのまま気を失ってしまいました。朝目覚めて母親にその事を話したのですが、「疲れてるだけよ」とまったく取り合ってもらえずに、再び夜を迎えました。
なんか寝るのが怖くて、ガキにしては夜更かしをしていたんですが、そのうち寝てしまいました。すると再び夜中に目がさめてしまったのです。
しかし今回はまぶたすらあける事ができず、なにかが全身に覆い被さっているような感触と、男のひとの「ヒューヒュー」という息遣いが聞こえてきました。怖くなった私は心の中でひたすら「ごめんなさい、ごめんなさい」と繰り返してました。
すると突然体が軽くなり、心で叫んでいた「ごめんなさい」が本当に大声で口からでていました。となりで寝ていた両親もその声で飛び起き、なにがあったのかを問いただしたので、私も泣きながらチョークの上に寝転がって遊んでいた事を話しました。
母は「明日一緒に謝りに行こうね」といい、次の日お線香と花を買ってそのチョークのところに行きました。それからはうなされることもなく、家族旅行や友達との遊びの中でそんな事も忘れかけていたのですが、夏休みも後半に入り一人自宅で宿題のドリルをしてると、突然電話がなりました。
「もしもし○○です」「……」「もしもし??」「……」悪戯かなと思い受話器を置こうとしたときに、男の人の声で「二度とするなよ…」と。